北海道教育大学岩見沢校の弦楽研究室の皆さんをお迎えしての, 本領域弦楽研究室の特別演奏会が,2月29日に無事終了しました。

北海道教育大学岩見沢校は2023年に創立100周年を迎えられ,本学は2024年に前史と併せて150周年を迎え,今年度(2023年度)は双方の大学にとって,偶然にも節目となる年度となりました。

教員養成系の大学でヴァイオリンの専任教員が在籍し,かつ弦楽器の専門分野のカリキュラムを持つ大学は,今やこの2校だけになってしまいました。本公演は,そうした希少価値に置かれた両校が対話と演奏を通して親睦を深めることを目的として開催されました。

両校の学生たちは初日の練習から徐々に打ち解けていき,それに伴うように音色も融合していきました。

そして本番では,1団体としてのまとまりのあるサウンドクオリティが,会場いっぱいに響き渡りました。

プログラムはまず,モーツァルト作曲の「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」からスタートし,その後ヴァイオリン教員の高旗健次と,岩見沢校のヴァイオリン教員の長岡聡季先生とによるトークで,今を取り巻く教員養成系大学の弦楽器分野の現状についての紹介がありました。

その後,レスピーギ作曲の「リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲」が演奏されました。

休憩を挟み,広島大学が所蔵する「被爆樹木を使用したチェロ」の紹介が高旗教員よりありました。今回,岩見沢校の学生さんにはこの楽器で演奏してもらい「非常に温かみのある深い音色が特徴で,弾いていて感慨深くなった」といった感想をお話しいただきました。広島大学が理念として掲げる「平和」についても会場の皆さまと共有でき,非常に意義深い時間にもなりました。

その後,弦楽合奏曲として根強い人気を持つチャイコフスキー作曲の「弦楽セレナーデ」が壮大に演奏され,ブラボーも飛ぶ鳴り止まない拍手の後,アンコールとしてシベリウス作曲の「アンダンテ・フェスティボー」を演奏しました。

当日はあいにくの肌寒い雨の夜でしたが,会場内は終始,大変あたたかな雰囲気に包まれていました。ご来場ありがとうございました。

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