伊藤真教授と大学院博士課程後期学生のカラニ・ニメージャが2026年9月にスリランカのMaharagama National College of Education(Maharagama NCoE)を訪問しました。Maharagama NCoEはスリランカ国内に20校ある教育大学のなかで唯一、西洋音楽の教員養成(中等教育段階)を行っている大学で、2年間の全寮制型学修と1年間の学校インターンの3年制教育プログラムを採用しており、2名の講師の指導のもと、約40名の学生が学んでいます。

スリランカの音楽教育は西洋音楽と東洋音楽に分かれており、音楽の授業は中等教育(6年生〜13年生)において芸術科目の選択授業として行われます。西洋音楽の普及と発展に取り組むなか、学校教育や教員養成に対して、特に実技と指導法を中心に日本の国際協力機構(JICA)の支援を受けてきました。現在、その支援は停止しており、スリランカの教育スタッフのみで教員養成が行われています。

伊藤真教授はMaharagama NCoEのUditha学長、Asanka講師、Ruklanthi講師、Kandage元コーディネーターと面会し、スリランカの音楽教育や教員養成の状況について意見交換を行うとともに、学生を対象に「Listening and Appreciation in Music Learning(音楽学習における聴取と鑑賞)」と題したセミナーを実施しました。音楽理論を中心とした授業が多く展開されるスリランカの西洋音楽教育において、音や音楽を「聴く」ことの重要性や日本の音楽鑑賞授業のアイディアを実践を交えて伝えたことは、スリランカの学生には新しい経験となったようです。また、Asanka講師による歌唱の授業を視察し、そのなかで伊藤教授のピアノ伴奏で学生が歌う場面もありました。

写真後列右から順に、Asanka講師、Ruklanthi講師、Kandage元コーディネーター、Uditha学長、伊藤教授、カラニさん。女性の先生方はサリーを着用するのが基本。学生は白と桃色の制服を着用(大学によって色が異なる)。

また、約1週間の滞在期間中に、元教育省西洋音楽課課長のUshitha氏と面会し、スリランカの音楽教育の展開や日本との協力関係について議論したり、公立・私立学校を訪問し、西洋音楽、東洋音楽、東洋舞踊の授業を視察したりしました。

左の写真は、元教育省西洋音楽課課長のUshitha氏と面会したとき。左から順に、カラニさん、伊藤教授、Ushitha氏、Asanka講師。右の写真はスリランカでトップの学校であるVisaka Vidyalaya校を訪問したとき。左から順に伊藤教授、西洋音楽上級教師のDevika先生、カラニさん。カラニさんは来日する前はこの学校の教員でした。

スリランカ社会において、日本との関係は様々な場面で見られます。今後、西洋音楽教育の分野で広島大学大学院音楽教育研究室とMaharagama NCoEとの教育・研究協力関係が発展することが期待されます。